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Q3. 砂防ダムが機能する期間はどのくらいですか?

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 10年前後の年月で満砂するものから、春にできた砂防ダムが、2、3度の大雨で秋には埋まってしまう事もあり、地形や条件により様々です。砂防ダムが埋まる原因は、自然による土砂ばかりではなく、上流で行われる林道建設や砂防ダム工事からの土砂があり、下流側の砂防ダムの容量の半分が埋まってしまったこともありました。また、森林の完全伐採による土砂流出も砂防ダムの堆砂を早めます。

 満砂しても、砂防ダムは全く機能しなくなるのではなく、貯砂量の10~50%の土砂を一時的に貯えて調整したり、河床勾配を緩くして河の侵食を防ぐなど、土砂の流出制御機能を果たすことができます。また、浚渫※(しゅんせつ)することにより砂防ダムの貯砂機能を復活させることができますが、実際は浚渫せずに上流に新たに砂防ダムが作られることがほとんどです。 ※浚渫:ダムの底に堆積した土砂を取り除くこと

 

 浚渫せず満砂したままの砂防ダムは、袖抜けや底抜けにより崩壊を起こしやすくなります。なお、1964年から4年間に769基の治山ダムが壊れたという報告もあります。コンクリートの寿命は50~100年と言われる中、国は平均砂防整備率22%を上げることを目標としていますが、100年以上かけて建設してきた整備率22%を倍の44%にするには、コンクリートの寿命を考慮すると不可能な数値といわざるをえません。 

渓流保護ネットワーク

砂防ダムを考える

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