Q4. 砂防ダムの悪影響はなんですか?
1.海への影響・海岸線の侵食
砂防ダムや貯水ダムは川から海への土砂供給を止めたり緩和しますから、海岸線が侵食されてしまいます。そのため侵食を防ぐための海岸線の工事が莫大な税金を使って行われています。上流域で原因をつくり下流域で尻拭いという悪循環が発生しているのです。
・海の生物への影響 : 砂防ダムは川から海への養分やミネラルの供給を妨げますから、海が痩せてしまい、海草、魚、貝などの生育が妨げられます。渓流沿いの落葉は、水生昆虫や微生物などにより分解され、下流に流れて河川や海の生態系に必要な養分となりますが、必要な栄養が下流に流れないと、ひどい場合は、"磯焼け"といって生物のいない死んだ海になってしまいます。
2.骨材(建設用の砂利)の不足
本来、人々は、川が山から運んできた骨材(じゃり)を建設用などに利用してきました。砂防ダムが土砂の運搬を妨げることで、川から骨材を取ることが出来なくなった現在、山を崩したり、田畑の下にある砂利を取ったり、海底を掘ったりして骨材を得ており、山や海底の環境を害する問題となっています。また最近では 国内で骨材を得ることができず、中国などから輸入されています。 川が本来持つ土砂運搬機能を見直すことや再利用で、これらの問題は解決されます。
3.川魚への影響
川魚の場合、下流や上流へと自由に移動できることが、種の繁栄につながります。例えば、部分的に絶滅したとしても残った個体が下流または上流に移動することで、再生・復活されてゆきます。また種が多く交わる事で遺伝子が強化されます。 ところが、砂防ダムは川を分断し、魚の移動を妨げることで水生生物などに悪影響を及ぼします。
行政は解決策として魚道を建造をしたものの、土砂や流木で魚道が埋まり、機能していないケースも多く見られます。
中房砂防ダム(32億円) 1.2億円かけて魚道を造ったが、流木や土砂で埋まっている
4. 災害のリスクが高まる
十分な土砂が供給できないため、下流の橋脚が下がる、また護岸基部が侵食されるなど災害の危険性が高まります。また、いままで人が住まず、利用しなかった「土石流の通り道」を「住宅地」に変えることで、大規模な土砂災害を引き起こしています。