霞沢川砂防工事現場
11月1日に、霞沢川の砂防工事現場を見に行ってきました。今回は朝日新聞の記者、パタゴニア白馬店スタッフの同行もありました。先日の台風21・22号の雨の影響があったのではないかと思っていたけれど、現場の人の話だと、水は出たものの土石流にはならなかったという事です。台風以前の長雨時に2回の土石流が出ただけだという。従って工事は進んでおり、基礎コンクリートとスリット部の半分の高さまでのコンクリート打ちは済んでいました。
ダムサイトの上下流には今回の台風の影響で両岸から多量の土砂が生産されたり、河床上に堆積した土砂がしっかり残っていました。おそらくダムが完成したとしてもスリットは詰まりクローズ状態になるでしょう。当然上流域の限られたイワナ生息域が河原化し生息環境がなくなることは推測できます。
今のところ工事から出る泥水の処理はされておらず、問題にしなくてはなりません。今後の工事のために流れを右岸側に変える必要があるため大量の濁り水が流れることとなるからです。今から12月にかけてはサケ科の魚の産卵時期になるため、流出する泥が卵に被るため被害は大きくなります。このくらい大きな工事となると沈殿池レベルでは解決しないことは今までの工事現場を見れば分かります。
また今回分かったことですが、工事用道路を流れる沢水が車両の影響で濁り水となっており、この問題も指摘しなくてはなりません。下流の産卵場所には泥をかぶったところが見えていたので、産卵現場の写真を撮って示していきたいと思います。
毎年壊れる道路の復旧のため10数年もかけ、全く意味のない砂防ダム工事に10数億円かけているとは呆れるしかありません。防災のためには他にやらなければならない優先順位の事があるはずなので、今後もしっかり監視を続けたいと思います。