9月20日 霞沢砂防ダム建設現場調査
9/20に朝日新聞の記者さんと霞沢砂防ダム建設現場を見に行ってきました。 工事用道路の落石止めの金網張替工事は終わっており、今回の台風21号でも土砂は出ていなかった模様です。7月の豪雨の時に大きな土石流が出て建設中のダムが完全に埋まって以来、大きな土石流は出ていなかったようです。
しかし、台風シーズンが終わるまでは本体工事に入ることはしないようで(再度埋まる可能性があるから)、サイト左岸へのネット張り工事が進行中でした。濁り水に対する沈殿池3基は全て水がオーバーフローしており、全く機能する状態ではなかったです。ただ今は泥水が出るような工事は予定していないとのこと。
ダムサイトの上流側約40mくらいの右岸に新たな崩れが生じており(写真6番目)、今後大きくなっていく可能性が大きいとみています。ダム直上に崩れが4か所あるので、ダム完成時にはダムが埋まりスリット機能がなくなる条件が増えたことになります。
今回分かったことはダムのスリット部ができたことで流れが悪くなり、あたり前ですが、ダムの上流側に土砂が堆積しやすくなっていたことです。以前はダムの上流側がイワナの生息環境であったが、この事でゴルジュとダムの間の環境が大きく変わり、イワナの絶滅条件が整ったということが分かりました。実際調査してみましたが、魚の確認はできませんでした。今からでも遅くはないので、工事を中止する選択をしてもらいたいものです。
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同じ日の夜、「松本いきものサロン」にて富山県スゴ谷の32基治山ダム建設の問題を写真を含めて説明してきました。今回の説明の目的はアルプス周辺への砂防・治山ダム建設が渓流環境を壊す事や、山岳国立公園内にコンクリート構造物を建設するような事は、欧米など先進国では日本くらいであり恥ずべきことだということです。また、このような大きな問題に異議を出す環境団体がいないという現状から、国(富山森林管理署)に対し様々な団体連名で要望書などを出しませんか、という提起をしてきました。
砂防・治山ダムの問題は全国的な事でありもっと多くの団体が取り組んでほしいと思っています。本来は富山県側の事例であるので、富山の団体と行動を共にしたいのですが、手づるもなくなかなか難しいのが現状です。
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