7月19日 霞沢砂防ダム建設現場調査
7月19日、パタゴニアのスタッフと霞沢砂防ダム建設現場に行ってきました。 工事用道路の法面に落石や土砂防止用のネットが張ってあったのですが、そのいくつかが崩落でダメになったようで、新たにネット張りの工事が行われていました。大雨が降るたびに何処かしこがやられることは織り込み済みで、まるで復旧費用を打ち出の小槌の様に稼ぎ出している状態です。
工事用道路の下の方で車とすれ違ったのですが、その時現場監督の方に連絡があったようで、現場に到着するとお迎えがありました。工事の進捗状況を聞き、また今月7月豪雨状況を聞いたところ、やはり大きな土石流があり、建設中の本体が完全に埋まってしまったようです。今はスリット部の中の土砂を取り除いた状況でした。川の中も流木が散らばっており土石流の大きさを示しています。
去年の秋に初めて設置された沈砂池3基はヤシマットの目詰まりなのか全てオーバーフローしていました。最もこの水量に対し今の沈砂池の形態では当然ともいえますが。工事を進めるためのしっかりした橋の建設途中の鉄骨橋梁と橋げたが設置されていましたが、台風などの大雨でどうなるかは目に見えています。それも織り込み済みだと思いますが、当初予算を大幅に超過している現場は、まさに打ち出の小槌と言わざるを得ません。
現場を後に上流のゴルジュ入り口付近まで様子を見に行く事にして先に進みました。上流から出てきた流木や土砂が河床にしっかり溜まった跡が見られます。去年あった滝がなくなりその上側に新しい不安定な滝ができていました。これを越えるか迷いましたが、引っ掛かっている流木がゆらゆら動いているようなので、今回はここまでにして下ることにしました。水量が安定する8月下旬くらいにもう一回来る予定にしたいと思います。
工事現場には土石流センサーの中継地点がありました。今回の土石流もセンサーが働き警報が鳴ったということです。ゴルジュ内の不安定な滝が決壊すれば、たとえ晴れていたとしても土石流が出ることはあり得るので注意が必要です。ちなみにこのシステムはリースで借りているとのことで、使用料は1ヶ月30万円もするということでまたもや驚きました。
現場に帰ってきたら松本砂防事務所の技術系の職員が出迎えてくれました。即連絡が行くようになっているのでしょうか?去年の予定では2年ほどで完成という話でしたが、今回聞いたところもっとかかるとのこと。ちょうどよかったので去年、今年の土石流で埋まった現場の復旧費用はどのくらいなのか尋ねたところ、後で連絡してくれるとのことでした。去年、現場とダムサイトの間のイワナ調査をした時は個体確認できましたが、今回は全く確認できませんでした。もしこのままこの区間のイワナが絶滅した場合は、魚環境に配慮した工事だと説明していたので、松本砂防事務所に対し正す根拠になりえます。今後も調査を続けたいと思います。