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富山県・スゴ谷調査

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8月3日から5日まで、富山県のスゴ谷に調査に行ってきました。この谷は林野庁が32基の治山ダムを建設する計画をつくり進行中の谷です。

5年前に調査したところですが、今回は計画がさらに進みスゴ2谷へ続く道がトンネルを掘る尾根壁手前まで進み、なお谷の入り口に3基のダムが完成していました。スゴ1谷には2基の半スリット型ダムが造られていました。6年前よりも流れの安定期が続いたらしく、魚止めの滝までの間は土砂がすっかりなくなっており素晴らしい渓相が続いていました。

この様な素晴らしい景観の中に川環境や魚環境を完璧に壊す半スリット型治山ダムが必要であるのか誰の目にも明らかです。いまだ造山運動で隆起している山は、もし崩れないとしたら既に6千mをも超える山になるはずです。しかし、なお3千m級の山並みを維持し続けているということは、相変わらず浸食が継続しているということを表しています。つまり土砂を出し続けているということです。

なぜ林野庁は今になって無駄な治山ダムなどの工事を入れているのか、土砂生産の過去を振り返るべきです。今年の7月西日本豪雨災害からも分かる通り、人間の技術の限界と土地利用方法の検証をすべきではないでしょうか。

またイワナが生息する谷に半スリット型治山ダムを建設しているが、川環境重視で環境に考慮しているとのことですが、ダムの落差は2mを超えます。魚がのぼれる高さではないことは誰の目にも明らかです。賢いお役人さんのはずがなんとも頼りない事になっています。先進国を名乗るこの国の恥になっていることを自覚されたいです。

工事現場入り口の看板。

StartFragmentスゴ谷の治山ダム群、突き当りが真川。EndFragment

StartFragmentトンネル出口上部の型枠工は、下から崩れている。 この場所は2006年ころのトンネル工事で崩れが起きた。EndFragment

StartFragment半スリット型治山ダム、下までスリットが入らないため魚の移動はできない。

間伐材を貼り付け環境を考慮しているというが、魚の移動もできない構造をつくり考慮もくそもない。

完成時に右岸側を埋め立てると思うが、川の力は人間が考えるようにはいかない。

後が楽しみでもある。EndFragment

StartFragmentこの景観を残したいものだ。EndFragment

魚止めの滝。

StartFragment落ちてきた石が偶然ハマったもの(チョックストーン)。EndFragment

StartFragment節理の入った岸壁も見られる。EndFragment

StartFragmentスゴ2谷の出口の野暮な工事だが、次の写真は2006年時の同じ場所である。EndFragment

StartFragmentこんな景観をわざわざ壊す必要があるのか、技術者は何を考えているのだろうか。

情けなくなるというか、ここまで来ると悲しくなってくる。EndFragment

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