霞沢砂防ダム建設現場視察 -3-
※画像は左から1−5
前回の報告後の確認のため11月26日、再び霞沢砂防ダム工事の流れの切替現場を見てきました。沈殿池を3基設置した後、濁水の流し方、沈殿池の効果を調べる必要があったからで、ほぼ状況の把握はできました。
治山ダム下の産卵河川は写真1番目のようにほぼ問題はなし。しかし、この状況は高さ23mの砂防ダムと治山ダムの伏流効果が働いていたためで、沈砂池の効果が十分だったわけではないです。もし23mダムの上流側が魚の生息域だったらダメージがかなり大きくなることは明らかです(写真2、3番目 泥の沈殿)。また23mダムと治山ダムの間の状態は写真4番目の様に石の表面に泥が付着しています。この間は10月中にイワナの産卵が済んでいるためダメージがあると思われます。
沈殿池の状態も簡単に報告すると写真5番目のようにヤシ繊維フィルターのオーバーフローで効果は半減。しかし写真6番のように泥もかなり沈殿させています。浄化効果はあるものの目的を達成させているとは言えないはずです。切り替えた流れは写真7番目のように作業のない日だったので水はほぼきれいでした(岸からの崩れのための濁りが入る)。
最後に、国交省はろ過に関する砂防ダムの効果を考慮しての3基の沈殿池設置をしたのか分からないが、写真8番目のように川の中に濁度計を何か所かに設置し、かなり詳しく効果を把握しているはずです。ただし、今回の事例をもって沈殿池効果があったという結論に至れば、これは大きな間違えです。今回の場所が2基のダムの上流であった事が幸いしたという事です。砂防ダムと治山ダムの間はイワナ生息域ですが、ここではははっきりと泥の堆積が確認できたことは確かです。砂防事務所にはこの辺のことを確認しなくてはなりません。
ちなみに梓川合流点から国道の橋までの間には写真10番目の様な産卵床が3か所確認できました(掘り返すため周りの石と違う色になる)。ただ遡上数の少なさはここ数年続いているため産卵期中の砂防工事や河川工事などの影響があると思われます。特に霞沢に登る魚の数は激減しているので、ここ10年間の産卵時期での工事用道路の継続工事が響いているかもしれません。卵の孵化は濁りには弱いことは昔から言われていることですから。